プレスリリース
2004年6月25日
三井物産株式会社とのインシリコ創薬支援事業販売提携についてのお知らせ
株式会社インシリコサイエンス(社長:渕上欣司、東京都大田区)は三井物産株式会社(社長:槍田松瑩、本社:東京都千代田区)とインシリコ創薬支援事業で提携しました。この提携に基づき両社は製薬企業向けにインシリコ技術による創薬支援サービスを提供します。
ポストゲノム時代の創薬研究では、蛋白質の立体構造の解析と蛋白質の構造に基づいた理論的な医薬品の設計が非常に重要な役割を果たすと考えられています。当社は北里大学薬学部梅山秀明教授を中心として20年以上に亘り蓄積されてきた蛋白質の立体構造予測技術(PDFAMSシリーズ)と医薬品のナノレベルでの分子設計技術を基礎に、2002年11月に大学発ベンチャーとして設立されました。
これまで社団法人バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC、東京都中央区、会長: 平田正)との販売提携により蛋白質立体構造データベース(FAMS BASE)、日本SGI株式会社(社長:和泉法夫、本社:渋谷区)との販売提携により蛋白質立体構造予測ソフト(PDFAMSシリーズ)の販売を行ってきましたが、新たに製薬会社の創薬研究を加速させるインシリコ創薬支援事業を三井物産との提携により開始することになりました。
このたび当社は新たなインシリコ・ハイスループット・スクリーニング用のドッキング技術を北里大学薬学部梅山秀明教授との共同研究により開発しました。これまでのドッキング方法では蛋白質を固定された構造として扱われていたため初期スクリーニングで重要な化合物を見逃してしまう恐れがありました。当社は、蛋白質本来の揺らぎや柔らかさを考慮したタンパク質の誘導適合を含んだ新技術により、これまでのスクリーニングでは補足できなかった医薬品候補を効率的に同定し、偶然性や職人的経験に依存しない創薬初期過程の合理化を可能にしました。
三井物産はこれまで研究から製造までの様々なステージで製薬会社への事業支援を行ってきましたが、当社と三井物産との今回の提携により、三井物産の幅広い流通チャネルでのビジネスの強みを活かし、当社の新技術を活用した製薬会社への創薬支援を、共同で提案していきます。
以上
インシリコ(in silico)は、コンピュータ上でという意味で、生体内で(in vivo)、試験管で(in vitro)に対応する造語