FAQ

お客様から問い合わせのありました質問およびその回答をまとめました。

(PDFAMS Pro関連のご質問)

Q1. 構造の最適化がどの程度良好に行われているかの指標はありますか?

Q2. 独自に用意した鋳型ファイルを使う方法、およびchain IDの指定について教えてください

Q3. 予測精度が良いとのことなのですがX線解析で測定されたデータと同等の精度があるのでしょうか?

(PDFAMS Ligand&Complexについてのご質問)

Q.4 単量体の鋳型情報しかない場合でも、複数鎖のモデリングを行うことは可能でしょうか?

(モデリング全般についてのご質問)

Q5. インシリコサイエンス社のモデリング技術について教えてください


Q1. 構造の最適化がどの程度良好に行われているかの指標はありますか?

A1. 構造の最適化にはSimulated Annealing法(擬似焼き鈍し法)を用いています。構造を最適化する際の計算経過がlog という拡張子のファイルに出力されますので、そのファイルを参照してください。 焼き鈍しの過程で側鎖がぶつかり合っているとNot found structure という表示が出ます。このメッセージが最終的に出なくなるまで焼き鈍しを 実行しているかがチェックポイントとなります。またlog ファイル中のScore の値は、モデリングタンパク質が「タンパク質らしい形状」になると 小さくなるような関数の値となっています。この関数の詳細に関しては 以下の論文をご参照ください。

Ogata K, Umeyama H.  Mol Graph Model. 2000 Jun;18(3):258-72, 305-6.


Q2. 独自に用意した鋳型ファイルを使う方法、およびchain IDの指定について教えてください

A2. 現在のPDFAMS Proの仕様では、ユーザー様のご用意された 鋳型ファイル(PDB形式)を用いてモデリングを行うという使用方法は 想定されておりません。しかし、以下に説明する操作を行うことにより独自の鋳型ファイルを用いてモデリングの実行を行うことが可能です。

以下、/usr/local/pdfamsにPDFAMS Pro がインストールされているとして 説明をさせていただきます。 

通常鋳型に用いられるPDBファイル群は ディレクトリー/usr/local/pdfams/pdb に圧縮されて格納されております。 コマンド runfams は必ずこのディレクトリー内から鋳型ファイルを取得する 仕様となっています。そこで、独自に用意された鋳型ファイルを用いる場合は、

  1. /usr/local/pdfams/pdbに鋳型ファイルをgzip圧縮したものをコピーします。
  2. このファイルに4文字(プラス拡張子)の名前をつけます。
    (ここではCUST.gzというファイル名にしたとします。)
この中のA鎖を鋳型にする場合、runfamsに与える入力ファイルの 書式は以下のようになります。

>ターゲットタンパク質の名前
alignment............
>CUST_A
alignment............

また鋳型ファイルにchain ID がない場合は以下のようにchain IDの指定部分、 省いた、CUSTを指定してください。

>ターゲットタンパク質の名前
alignment............
>CUST
alignment............


Q3. 予測精度が良いとのことなのですがX線解析で測定されたデータと同等の精度があるのでしょうか?

PDFAMSによって予測される構造は、X線による実験よりは精度は劣りますが、計算機 を用いた構造予測のプログラムの中では最も良い精度を誇っております。構造予測法 はX線などの実験に置き換わるものではなく、実験で決められない構造について 用いるなど、実験を補うべきものとなっております。今後構造予測の精度が上がればその応用範囲は更に広がるはずで、その意味でモデリング手法の精度を上げる努力は重 要と考えております。


Q4. 単量体の鋳型情報しかない場合でも、複数鎖のモデリングを行うことは可能でしょうか?

複数鎖のモデリングを行うには鋳型として複数鎖の情報をもつデータが必要となります。従いまして単数鎖の鋳型を組み合わせて複数鎖のモデリングを行うことは出来ません。


Q5. インシリコサイエンス社のモデリング技術について教えてください

インシリコサイエンス社のモデリングの技術については技術資料をご覧下さい。